ヒトとコメとミズとサケと
-THE SAKE OF FUKUI-

福井の伝統工芸と日本酒の融合
若きクリエイティブ集団が手がけた特別ボトル
『The Sake Of Fukui』とは、若い世代から支持を集めるクリエイティブレーベルPERIMETRONが何百年も絶えることなく現代に紡がれてきた7つの伝統工芸品を、東京で活動する経験と越前に拠点を設け住み込むことで得る体験を元に、環境は違えど共通する物作りの本質を探りながらそれぞれの職人らと共同でプロダクトを開発する企画です。今回ご紹介するこちらの日本酒は7つの伝統工芸がひとつ、『越前和紙』に凹凸をつけて各蔵のロゴをデザインしました。酒のプロデュースにはGEM by moto 店長でもあり、14代目酒サムライでもある千葉麻里絵氏が関わっており、デザインもさることながら酒質にも徹底的なこだわりを持って設計に当たりました。
3蔵の酒をコーディネート
14代目酒サムライ千葉麻里絵氏のコメント
福井は豊かな山々とそこから湧き出る清らかな水、そして日本海に面していることから、海の幸、山の幸ともに恵まれており、酒造好適米である「五百万石」の産地としても名高い。今回セレクトした3蔵全てがこの福井産の五百万石を使い醸造、味わいは福井の豊富な幸と合わせやすい仕上がりを目指しました。この恵まれた土地や、先代への感謝を忘れずに常に謙虚に酒造りをしている。丁寧に継承された技術と信念は、自然の本質の優しさと厳しさを理解し、それを受け入れて酒造りに反映している。
伝統的な酒造りは、筆で書くことで文字に思想や感情、温度をのせる書道にも通じるものがある。頭を空っぽにして自分が思うままに日本酒を感じていただきたい。それぞれがその土地の風土や時代背景を異なる個性へと昇華したお酒。この三者がこれらの三様であることに美しさ、そして気高さを感じることができる。これこそが福井の魅力の一つではないだろうか?
ぜひ福井の地酒を通して福井の歴史と風土を感じていただきたい。

『常山』
使用酒米:美山地区産特別栽培五百万石
精米歩合:50%
規格:純米大吟醸酒
美しい山に囲まれた美山の地で大切に育てられた米で醸す「常山」。筆の穂先が尖っていることで、繊細なストロークを描くことができる。ほのかな甘やかな香りと透明感のある丁寧な酒質。常山酒造は福井の気候風土に寄り添いながら、酒米や水にこだわり、きれ上がりの良い淡麗でありながらも米の旨みを十分に引き出す“淡麗旨口”すなわち“越前辛口”を表現する酒づくりを特長としています。常山の酒米は、福井県嶺北地方のほぼ中央に位置する福井市美山地区で育てられています。その名の通り美しい山に囲まれた美山の地で大切に育てられた米と、清らかな水から常山の酒は生まれます。

『黒龍』
使用酒米:福井県産五百万石
精米歩合:50%
規格:純米大吟醸酒
福井の母なる九頭竜川の伏流水に育まれた「黒龍」。柔らかくしなやかなコシのある穂先を持つ筆でスッとなでおろしたような、コクがありながら余韻が艶やかな味わい。霊峰白山山系の雪解け水が長い年月をかけ、山の滋養という濾過を経て、再び名水として湧き出るところ。近くを流れる福井県最大の河川「九頭竜川」には、清澄な水を象徴するように、鮎やサクラマスが育っている。山から大地へ、自然のフィルターを通過してきた澄み切った九頭竜川の伏流水は、軟水の特徴が活きた軽く軟らかくしなやかな口当たり。この水こそが、黒龍酒造が目指す綺麗でふくらみのある吟醸酒に最適なのです。

『早瀬浦』
使用酒米:福井県産五百万石
精米歩合:50%
規格:特別純米原酒
若狭湾に面し、日本海と三方五湖に囲まれた、情報が集まる漁師町にある「早瀬浦」。ダイナミックに墨をつけて、太い筆でハネあげたような気持ちの良い辛口タイプ。このお酒は今回の課題である『福井県産五百万石(精米歩合50%)』で、弊社の特色をより一層表現できる事は何かと考え、あえて『純米酒』のカテゴリーで挑戦した一本です。自社内より湧き出る発酵力の強い仕込水を使って、キレ味するどい『純米原酒』にあえて『吟醸甘酒』を搾る直前に加える事によって、もうひと味【押し味】を隠し味として加え【締まりある苦味】とともに、ふところの深い味わいになりました。
クリエイティブグループ
『ペリメトロン』 -PERIMETRON-
「King Gnu」としても知られる音楽家の常田大希、プロデューサー/クリエイティブディレクター佐々木集、映像作家のOSRINにより2017年に本格活動し始めたクリエイティブレーベル。実写、アニメーション、イラスト、CGなど、多彩な表現を用いたビジュアル制作を武器に、映像・グラフィック・ライブ演出・空間演出までスタイルに縛られないカッティングエッジなアートディレクションを提案する。