米糠を使用したお酒「権化 MARO」、米糠と、更に稲藁まで使用したお酒「権化 PEAT」。
この2つが飲み比べられるセットです。
農薬や肥料を使わず自然栽培で育てる「米農家」。
国内外から絶賛される「どぶろく醸造家」。
独自の技法で素材に魔法をかける凄腕の「発酵料理人」。
三つの顔を持つ岩手県遠野の古民家オーベルジュ「とおの屋 要」のオーナーシェフ・佐々木要太郎氏初の著書
「遠野キュイジーヌ」の発売を記念して、世界初となる米糠を使ったお酒と本のセットを販売します。
【セット内容】
■権化 MARO 1本
■権化 PEAT 1本
■「遠野キュイジーヌ」 1冊
5月21日に開催された、特別イベントの様子はこちらを御覧ください
20年米栽培を続けたからこそ完成したお酒
自然栽培した「遠野1号」というお米から造るどぶろくが人気の「とおののどぶろく」。
農薬も肥料も使わずに、元々いる微生物たちの力を借りた健全な田んぼでの米作りを長い年月をかけて行ってきた佐々木要太郎さんは、せっかくの丹精込めて育てたお米を捨てることなく使ってお酒を造りたいと考えていました。
最初は玄米そのままで造ってみたものの、玄米は硬く麹菌がうまく生えることができず、香りはいいものの味がほとんどしないお酒になってしまい、他の方法を考えていたところ、白米と精米した時に出る米糠を別々に使用すればいいのでは、と思い付きます。
思い付いた後すぐに成功したのではなく、何年も試行錯誤してやっと納得のいく味ができ、今回リリースとなる「権化シリーズ」が完成しました。
面白いのは、思い付いてすぐ試した時には、米糠を10%ほどしか入れていなかったのに米糠の匂いが強く出たそうですが、それから数年経った今は、白米と米糠の割合がほぼ半々に近いにもかかわらず、米糠の匂いというよりも、杏やグレープフルーツのようなフルーツの香りがするようになったこと。
それは、試行錯誤している数年間のうちにも田んぼの様子がどんどん変わり、より痩せた土になって、そこで育つ稲も余計な栄養素がなくなり、米糠の匂いの原因でもある油分が少なくなったことを意味しています。
佐々木さんの造る米糠のお酒は、健全な田んぼであることがいかに大切であるか、そしてそれがどれだけ味に影響を及ぼすかを私たちに教えてくれます。
決して変わったお酒を造りたいから米糠のお酒を造ったのではなく、健全な田んぼの必要性を伝えるのにこのお酒が必要だったのです。
今回のお酒は日本酒ではなく、「その他の醸造酒」というカテゴリーになります。
お酒のカテゴリーに囚われず、ただ純粋に土の大切さ、米そのものの美味しさを伝えたいと造られた権化シリーズ、ぜひお試しください。
【権化 MARO】
煎った米糠を使い、酒母を水もと仕込みで造ったお酒。
当初槽でお酒を搾る予定でしたが、搾る直前になって槽が壊れてしまい、袋吊りで搾りました。
その結果、生産量は当初の予定よりも大幅に少なくなってしまいましたが、よりピュアな、理想的な味になりました。
杏のような甘みのある果実の香りの奥に、煎った米糠の心地よい香ばしさが特徴。
蜜のような甘みと、飲みごたえのあるボディがあり、余韻には酸もしっかりと感じられます。
最初はしっかりと冷やして、温度の上昇と味の変化をお楽しみください。
グラスは口のすぼんだワイングラスよりもストレートなグラスがお勧めです。
【権化 PEAT】
このお酒に使われているお米「遠野1号」の稲藁で燻し焼きにした米糠を使ったお酒。
こちらもMARO同様に袋吊りで搾っています。
まるでメスカルのような、青みのあるスモーキーな香りが特徴。
MAROよりも甘みが少なく、酸もしっかりしているのでタイトな印象です。
ドライな薬草酒といったイメージで、稲だけでここまでの風味のバリエーションが出せるのかと驚く1本です。