
冨田酒造
所在地:滋賀県長浜市木之本町木之本1107
設立 :天文年間
代表銘柄:七本鎗(しちほんやり)

<歴史的にも文化的にも魅力的な町>
滋賀県長浜市木本町は豊臣秀吉が初めて城を持った場所という歴史を持つ町。冨田酒造はここで460余年続く酒蔵で、銘柄『七本鎗』は賤ヶ岳の合戦で活躍した7人の若武者「賤ヶ岳の七本槍」から取っています。蔵の木造建築は江戸末期のもの。蔵の12代目と北大路魯山人が親交あったことから、お酒のラベルにも使用されている『七本鎗』と彫られた木の看板(魯山人が寄贈したもの)が蔵に飾られています。

<湖北地域ならではの「地の酒」を表現>
15代目である冨田泰伸さんは2002年に蔵に戻ってから、地元の水・米・環境でお酒を醸すことに力を注いできました。海がない地域の為、保存に適した濃い味付けや発酵文化が根付いている地元の食文化に合うお酒は必然的に濃い味となりますが、冨田さんは洋食(オイリーなもの)や現代の食文化にも寄り添える酒質を織り交ぜながら、今日の『七本鎗』のスタイルを築き上げました。

<無農薬栽培米へのこだわり>
2010年からはお米の家倉・家倉敬和さんとの出会いから始まった100%無農薬米で醸した純米酒『七本鎗 無有(むう)』の醸造・販売もスタート。きっかけは、農業大国である滋賀県の人間として、「お米は農薬を使わないと育たないという常識を変えていきたい」といった意味合いもあったそうです。冨田さんが初めて契約栽培を依頼した地元の篤農家「もりかわ農場」産の無農薬米を使って仕込んだお酒を熟成させたタイプもあります。