ドイツ・オーストリアワイン特集

進化し続ける土地でうまれる
個性豊かなワインたち
若手の生産者を筆頭に辛口ワインの生産が増えてきているドイツ。ワイン葡萄生産地としては北の方に位置し、ファルツやバーデン等の主要生産地は、フランスのシャンパーニュやアルザス地方とほぼ同じ北緯で葡萄栽培が行われています。またその隣にある国、オーストリアでは、北国ならではの繊細さと温暖な地域の開放感を併せ持つ魅力的なワインの生産、国をあげてのワイン産業復活、厳しいワイン法の制定により生み出されるワインなど、今まで飲んだことがない方にも是非楽しんでいただきたいワインが沢山生産されています。このページでは、その2国のワインについて紹介。この機会に是非、ご覧になってください!
目次
ドイツ/オーストリアの主要ワイン生産地域

①ラインガウ
ドイツ三大銘醸地の1つ。リースリングの栽培に特化しており、全体の約80%の栽培比率を誇る。ほぼ全ての畑が南向きで、最も歴史と伝統のある地域でもある。
②モーゼル
ドイツ三大銘醸地の1つ。同国で最も冷涼な地域で、川沿いの斜面の畑が圧倒的に多い。粘板岩土壌が中心で、土地の味わいを感じるエレガントなワインが特徴。
③バーデン
ドイツ最南に位置するワイン生産地、また最も太陽に恵まれている地域でもあります。シュペートブルグンダーの栽培が盛んで、力強い味わいが特徴。
④ファルツ
ドイツで2番目に大きいワイン生産地。アルザス地方にとても近く、ドイツ国内では最大の赤ワイン産地です。それだけではなく、世界最大のリースリング栽培地域として知られています。
⑤ミッテルライン
栽培が困難を極めるほどの急斜面な畑で葡萄を育てている地域です。温暖な空気を運ぶライン川のおかげで霜害が殆どなく、年間平均気温は9.3℃、リースリングの栽培に理想的な条件が揃っています。

①ウィーン
ホイリゲ(新酒)文化の中心地で、石灰土壌の歴史的な銘醸地。ゲミシュターサッツ(混植混醸)が有名です。
②クレムスタール
ニーダーエストライヒ州西川にある地域。長い葡萄栽培の伝統があり、主にグリューナー・フェルトリーナーが栽培されています。早飲みしたくなる上品な白、滑らかで表現豊かな赤ワインが特徴です。
③ヴァッハウ
クレムスタールのすぐ南に位置し、急斜面に並ぶ段々畑が美しい、ユネスコ世界遺産のひとつでもある地域。渓谷になっており、標高の高い森からの吹きおろしの風のおかげで寒暖差があります。また降水量が少なく乾燥しているのも特徴です。
④ブルゲンラント州
中世に修道院で修道士がワイン造りを発展させた時代からの銘醸地で、年間降水量が500㎜と少なく、夏の気温が高いため、リッチでフルボディなワインが多く生み出される。ブラウフレンキッシュの産地です。
⑤ノイジードラーゼ
ブルゲンラント州北東に位置する地域で、スロバキアとハンガリーと隣接しています。昼夜の寒暖の差が大きいため、赤ワインの色づきがよく、よく熟しつつも酸を伴うバランスのよいぶどうを造ることができます。


リースリングは、出来上がるワインの特徴が産地のテロワールに極めて強く影響される品種です。ドイツの冷涼気候では、林檎や果実の風味、非常に高い酸度、より暖かいオーストリアのリースリングは厚みのあるボディと複雑な香り、明快で強い芳香があり、食欲を掻き立てるものと言われています。とりわけ特徴なのは永い余韻と白コショウのような香り。シャルドネやソーヴィニョンブランと並び白ワインの代表とも言える品種です。元来の豊富な酸と明確な果実の香りにより、リースリングからなるワインは熟成のポテンシャルがあり、良年の高品質なワインであれば熟成により蜂蜜やスモーキーな香りが加わります。リースリングはゼクトと呼ばれるドイツのスパークリングワインにも好適な品種、甘さと酸味のバランスが取れているため、ペアリングに置いても多彩です。魚料理、豚肉料理、ワインによってはスパイスの香りが強いエスニック料理とも合わせやすいです。その鋭い酸味と甘味で、塩気の多い食品とも調和します。
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『ピノ・ノワール』の別名が広く世界に知られている黒ブドウ品種です。シュペートブルグンダーはドイツで呼ばれる名称であり、ラインガウ地域では700年以上前に植えられており歴史も古いです。ドイツで最も栽培の盛んな黒ブドウで、特に、バーデン、アールでの栽培が多い。果皮が薄く味や色、口当たりに影響を与えているフェノール化合物の含有量が少ない為、色合いも薄めですが、味わいは深く、滑らかな味わい、豊かな赤果実のアロマを持ち合わせたワインが出来る事が多いです。北部のラインガウやアールの粘板岩土壌で生まれる独特のエレガンスを持ったワインや、南部のバーデンやファルツで、ブルゴーニュと似た土壌や気候で生み出される芳醇なワインなど、多様性もあり、世界中から注目されています。
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オーストリアワインはフランスと同じ緯度となる北緯47度から48度周辺で生産されています。ドイツと同じようにリースリングの栽培も活発に行われていますが、実はオーストリアにも昔よりこの地に根付く葡萄品種があります。チェリーの様な香り、個性的な酸と密なストラクチャ、しっかりしたタンニンなワインを生み出す、「ブラウフレンキッシュ」と、今オーストリアで最も栽培されており、軽快な酸とスパイシーで少し白胡椒の風味が特徴のグリューナ・ヴェルトリーナーです。風積土の様な土壌だと果実味豊かでトロピカルに、原生岩土壌だと硬質ミネラリーに仕上がります。
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ゲミシュターサッツとは1つのエリアにバラバラに植わっている複数の品種を、早熟品種・晩熟品種関係なく、時期を見極めて同時期に収穫、同時に醸造する農法で、日本語では混植混醸と言います。かつては様々な品種を植えることでのリスク分散を目的としていましたが、近年ではぶどう品種の個性に依らないテロワールの表現方法として注目されています。ワインの味の方向性を決める際は、そのエリアの各品種の作付け面積でコントロールしています。また、そのヴィンテージの特徴が顕著に表れるため、非常に生産者の手腕が問われる農法とも言えます。こちらでは、その混植混醸の帝王、ヴィーニンガーさんのワインと、IMADEYAが推す、ぜひ皆様に飲んでいただきたいスパークリングを一緒にご紹介します。
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