
コバルトブルーの海と白い砂浜、空気が乾いていて鋭い日射、木陰に入ると涼しくて気持ちがいい・・・
そんな情景を思い浮かべると『島のワイン』って素敵ですよね。
今回は、世界に点在する島のうち特にワイン産地としても名高い場所から4つの生産者のワインを厳選してご紹介。
厳しい暑さが続きますが、リゾート地を思い浮かべながらその土地の地ワインとともに過ごしてみませんか?
8月のおすすめ島ワイン

イタリアの20州のなかで3番目の大きさを誇る、地中海に浮かぶ美しい島『サルディーニャ島』。
ここには手つかずの自然が多く残ることから、世界中のセレブリティが集まる世界屈指のリゾート地となっています。
海を隔てて目と鼻の先にフランス、スペイン、アフリカ大陸があることから、長い歴史の間に様々な民族の支配下に置かれ、
イタリア本土とは大きく異なる独特な文化を発展させてきたため、それがサルディーニャ島で造られるワインにも大きな影響を与えています。
中でも今回ご紹介するのは、南西部にある「スルチス」という沿岸地域に居を構える、 サルデーニャワインの歴史を変えた偉大なカンティーナ『サンターディ』。
そこで醸造家を努めた『故ジャコモ・タキス』氏は、80年代くらいまでは島の外に出ることがほとんどなかったサルデーニャのワインを、 世界中で高く評価されるように発展させた立役者です。
サンターディは数々の世界的イタリア・プレミアムワインを世に送り出し続けたタキス氏が、1980年中盤、キャリアの晩年に情熱を注いだワイナリーとして知られています。
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サンターディ ヴィッラ・ソライス
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ヴェルメンティーノ・ディ・サルディーニャ
2020 750ml
生産者:サンターディ/イタリア -
サンターディ グロッタ・ロッサ
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カリニャーノ・デル・スルチ
2019 750ml
生産者:サンターディ/イタリア

ワインが花開いたと言われる地中海の中心にあるシチリア。
赤ワイン用ブドウ品種『ネロ・ダヴォラ』の産地としても有名なこの島は、歴史の荒波のなか豊かな自然を元に独自の文化を歩んできました。
その食と文化は世界でも親しまれ、食文化と密接に関係するワインもまた、シチリアの魅力として考えても良いでしょう。
海に囲まれていることから海産物にも恵まれ、同じく海に囲まれた日本に住む我々には馴染みの深い味わいの料理が現地では楽しまれています。
魚を塩焼きにしてレモンを垂らし、シチリア白ワインを頂く・・・ 日本の食卓でもごく普通に味わえそうな光景ですね。
そんなシチリア島からご紹介するのは、ネロ・ダヴォラ発祥の地『アヴォラ』からほど近い場所にあるワイナリー『ジゾラ』です。
12世紀からワイン造りを行っていたマッツェイ家が2003年に創立した新しいワイナリーで、
トスカーナに所有する『カステッロ・ディ・フォンテルートリ』、『テヌータ ディ ベルグァルド』などを所有、
それぞれのテロワールとミクロクリマに適した土着品種の特徴を表現した、魅力的なワインを生み出しています。

『ヴラディス』の相性で親しまれる『エヴリヴィアディス・スクラヴァス』がオーナーを務めるドメーヌ・スクラヴォス。
1996年創業のワイナリーですが、実は13代前よりウクライナでワイナリーを経営していた、歴史ある一家です。
彼の曽祖父の時代に戦火に追われ、親類の住んでいたケファロニア島のリスクーリへと移住してきました。
ここには葡萄畑しかないというほど葡萄栽培が盛んな土地でしたが、政府がブドウ畑をつぶしてホテル用地に当てることを奨励したため、大部分の畑が失われてしまい、現在では荒地となっているか、オリーブの木が植えられています。
20年ほど前は家の裏で醸造をしていましたが、2014年からは政府の小規模農業従事者支援プログラムに選ばれ、
更にケファロニア出身の友人の投資家の援助を受け現在ではしっかりとした醸造施設にてワイン造りを行っています。
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ドメーヌ・スクラヴォス
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ヴァン・ブランド・ターブル
アルシミスト 2021 750ml
生産者:ドメーヌ・スクラヴォス/ギリシャ -
ドメーヌ・スクラヴォス
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PGI ルージュ
アルシミスト 2020 750ml
生産者:ドメーヌ・スクラヴォス/ギリシャ

アフリカ大陸最北、モロッコにほど近い場所にあるスペイン領土のカナリア諸島。
大小13の島で最も東にあるランサローテ島は、1730年に6年間も続いた火山の大噴火により形成されました。
島そのものが溶岩、火山岩、火山灰で構成されていて、世界に類を見ない火山性土壌を持っています。
作物も育ちにくくサハラからの45℃にも及ぶ熱風が吹く乾燥地帯。
ランサローテ島の40%が自然保護区となり保護管理されている自然そのものの島。
創造を絶する景観、綺麗なコバルトブルーの海、自然のままの土地はいまや一大観光地として有名です。
そんな場所にワイナリーを構えるのは、火山の麓に自社畑とワイナリーを構えている『ボデガス・ロス・ベルメホス』。
熱風が吹き荒ぶランサローテならではの栽培方法でブドウを育てており、その光景はまるで惑星に出来たクレーターのようです。
大きなもので深さ4メートル、直径6メートルにも及びます。その独特な形状から農作機は入らないため全て手作業、雨はほとんど降らないが、火山灰や火山岩はスポンジのように水を吸い込み保水してくれます。
またそんな過酷な状況に適応するかのように、この地で栽培される葡萄は他のワイン産地とは異なる味わいを楽しめるのが特徴です。