
世界自然遺産の中で作られる
人と自然にやさしい南アフリカワイン
南アフリカは、主要ワイン産地の中でもチリやオーストラリア南部、ニュージーランドと南緯をおなじくする国です。国土の大部分は日照時間が長く温暖ですが、南極側に位置する地域、ケープ地方ではベンゲラ海流という南極からくる冷涼な海風が吹き、畑の湿度を涼しく保ってくれているおかけで良質なブドウが出来上がります。ここの土地は5億年以上も前に遡ると言われる世界で最も古い土とされており、他の地域では見られない多様な植物の生息地として知られています。
人と自然にやさしいワイン作り

南アフリカは全土に約22,000種もの多種多様な花や植物があり、主要ブドウ産地のケープ地方では世界自然遺産に指定された9万平方kmにも及ぶ保護地域が広がります。そして、ケープ地方のワイン産地の実に95%はこの保護区にあることから、この植生を守ることが生産者の使命であり、そのために農薬を減らし、世界一低い酸化防止剤の使用、水源の維持等、環境と人体、両方に健康的なワイン造りが行われています。また南アフリカでは世界で唯一、持続可能な農業の認定を受けたことを証明する為、「サスティナビリティシール」というものが導入されました。このシールは各ボトルの首の部分に貼られており、シールの右下にボトル1本1本に違う番号が付けられています。「ワイン&スピリット・ボード」のWEBサイトでその番号を入力すると、生産者や瓶詰め日などの情報を得ることができる追跡体制が整っています。
IMADEYA おすすめ南アフリカワイン
冷涼地域の高品質ワイン生産者
南アフリカのクールクライメイト(冷涼地域)といえば、エルギンとウォーカーベイの名が挙がることが多いでしょう。この地域は、南アフリカワイン生産地の最南端(南緯30-50度)の丘の上に位置し、年間の平均雨量がブドウ栽培において理想と言われる500mm-800mm程度、南極からの冷たいベンゲラ海流の上を通ってくる冷涼な海風が吹きあげる乾燥した地域です。エルギン地区では多くのメダル受賞ワインを産出しており、シャルドネ、リースリング、ソーヴィニョンブラン、ピノノワール、シラーズなどの栽培が盛んです。ウォーカーベイはそのエルギンより更に海岸に近い場所にあり、ホエールウォッチングで有名。品質の高いピノノワールやシャルドネで知られています。
世界一の生産量を誇るシュナン・ブラン

フランスのロワール地方が原産の白ワインブドウ品種で、出来上がるワインは豊かな酸味のあるものに仕上がります。
現在では南アフリカが最大の栽培面積を誇り、その大きさは18,852ha(フランスは9,828ha)と言われています。
リンゴの様なや白い花の香りが特徴で、日照時間の長いところでしっかりと熟したものは、蜂蜜の様なニュアンスも感じられるようになります。
ブドウ自体にしっかりとした酸があるので、甘口ワインに使われることも多く、熟成のポテンシャルも高いです。
夏が本格的に始まる梅雨の時期には、少し冷やしたシュナン・ブランの爽快な飲み心地を楽しむのもいいでしょう。
おすすめのペアリングはサラダなどの前菜はもちろん、クリームソースを使った魚料理や鶏肉とも相性が良いです。
南アフリカ固有品種ピノタージュ

ピノ・ノワールとサンソー(別名:エルミタージュ)の交配によって生まれた、南アフリカ独自の品種。
両品種の名前をとって、ピノタージュと名付けられました。
南アフリカでは1980年代より盛んに出回るようになり、現在南アフリカ国内での栽培面積はカベルネ・ソーヴィニョン、シラーズについで3位となっていますが、未だに現地では人気を誇っています。
ピノタージュから造られるワインは非常に濃い鮮やかな赤色となり、
木苺やドライフルーツ、スモーキーな香りが感じられ、骨格のある酸味、
また渋みもあることから、カベルネ・ソーヴィニヨンと並び称される品種となっています。
アートと自然派 南アフリカのクラシックとニューウェーブ
南アフリカワインが誕生したのは今から350年以上前です。オランダ東インド会社が香辛料を求めてアジアに向かう途中で、ケープタウンに食糧供給基地を設けて、そこでブドウ栽培とワイン造りを始めたのが最初といわれています。アメリカとオーストラリアのワインの歴史は1700年代中盤ですので、それより100年も古い歴史があります。17世紀後半に宗教的な迫害を受けたフランス、ユグノー派の人々が移住してくるようになり、そこから更にワイン製造を発展させていきました。その時から数々のトップレベルの生産者が生まれている南アフリカですが、クラシックなスタイルを尊重しつつも、現在では若い生産者を筆頭に、なるべく自然な状態でワインを醸造しているワインメーカーもたくさん生まれてきました。そういったワインの中には、クラシックなスタイル(旧世界)のワインのエチケットに見られる、生産地などの文字情報のものではなく、アーティスティックなデザインを入れてひと際目立つデザインを入れる生産者も多いです。そういった素敵なアートボトルを楽しめるのも、南アフリカワインの魅力の1つです。