1999年末に現オーナーが購入してから、膨大な設備投資と徹底した品質管理によってモーゼルのリースリング全体の名声復活に大きく貢献した生産者。
樹齢30年以下のやや若いブドウ樹からのワインで、粘板岩のミネラル感をくっきりと表現しつつ、心地よい酸味が調和している。控えめなアルコール濃度と魅惑的な果実味、いつまでも飲み続けたくなる飲み心地。
夏のさっぱりとした料理と合わせて頂きたい一本です。
【輸入元より】
18世紀のイエズス会修道院の所領を、フランス革命後にトリーアの実業家グスタフ・ファン・フォルクセンが購入し、1900年頃には世界的な名声を誇っていた醸造所。しかし20世紀末に経営破綻し、1999年末に現オーナーのローマン・ニエヴォドニツァンスキーが購入。膨大な設備投資と徹底した品質管理で、醸造所だけでなくモーゼルのリースリング全体の名声復活に大きく貢献した。購入当初13haだった葡萄畑は現在約85ha。品種は95%がリースリング、残りがヴァイスブルグンダー。
優れたワインを産する葡萄畑の遺伝的素質を守るために、房が小振りで粒が小さく、自然に収量が低くなる苗木を畑から選抜して植樹している。古木を重視し、辛抱強く完熟を待ち、地域で一番最後に収穫を終える。徹底した選果を行い、醸造所で粒選りして完璧を期している。収量は30~40hL/ha。醸造には少量の亜硫酸塩以外の添加物を一切用いず、ステンレスタンクと、アイフェル山地に自家所有する約5000haの森から切り出した木材で造った、容量120~2400Lの木樽を使い、野生酵母で発酵する。主力は辛口からオフドライのリースリングで、瓶詰め直後は繊細だが2~3年熟成すると見違えるほどの複雑さと奥行きを現す。2019年7月に新しい醸造施設が完成。2015年からザールのオックフェン村で、忘れられた銘醸畑12ha(オックフェナー・ガイスベルク)の再興に取り組み、2021年に2020年産が初リリースされた。